萬田久子ら関西ゆかりの俳優陣
ミステリー作家、山村美紗の世界 舞台で 京都・南座
8月22日(火) 大阪夕刊 by 亀岡典子
人気ミステリー作家、山村美紗が亡くなって10年。その作品世界が9月の京都・南座で舞台化される。「京都都大路謎の花くらべ」(齋藤雅文脚色、井上思演出)。京都の山村邸で行われた製作発表会見で、娘で女優の山村紅葉は「南座は、母が『素人顔見世』にも出演するなど大好きな劇場でした。出演していただける方々も母の大好きな方ばかり。何でも思い通りにするという母の意志がそうさせたのかなと思います」と、笑わせながらもしんみり語った。
映画やテレビドラマなど映像化された山村作品は数多いが、意外なことに大劇場での舞台化はこれが初めて。今回は、京都を舞台にした「京都西大路通り殺人事件」をもとに、京都の由緒ある神社仏閣で次々発生する殺人事件と、容疑者として浮かび上がった人々の謎めいた人間ドラマが華やかに浮かび上がってくる。
脚本を担当した齋藤によると、原作の小説だけでなく、いろいろな山村作品から謎や人物を引っ張り出して全体を構築したという。「原作を知っていらっしゃる方でも新鮮な驚きと楽しみがあると思います」と話す。
出演者も、クラブのママ役の萬田久子、日本画家役の国広富之、謎の女流人形師の池畑慎之介、葬儀社専務の大村崑ら、関西にゆかりのある俳優が集まった。
「豪華で、華やかで、おもしろい方々との共演が楽しみです。先生の作品はテレビの『女検視官シリーズ』で何本か出演していますが、何といってもトリックが魅力ですね」と萬田が言えば、池畑も「サスペンスの舞台に出るのは初めてですが、思い切り演じたいと思います」と笑わせた。
ほかにも若林豪、宮川浩、そして紅葉ら多彩な共演陣。大村は「この芝居が上演される9月はまだまだ暑いので、ゾクッとしながらもカラッと笑える部分もある華やかなミステリーにしたいですね」と締めくくった。
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公演は9月2日から24日まで、京都・南座で。問い合わせはチケットホン松竹(電)0570・000・489。
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