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“懐かしさ”売りに
ホテルで給食!? 団塊世代向けサービス 
8月22日(火) 東京朝刊 by 橋本亮
大量退職時代の到来を来年に控え、ホテル業界が団塊世代に焦点をあてた新サービスを充実し始めた。“懐かしさ”をテーマに、同世代の青春時代に流行したディスコホールを再現したり、当時の学校給食や料理が味わえるサービスも登場。昔を懐かしむ趣向への旺盛な消費を指摘される団塊世代の取り込みを狙う。

新宿プリンスホテルは今月12日から20日まで、「懐かしの給食」をテーマにしたフェアを実施したところ、予想外の好評に気をよくし、26日までの延長を決めた。1日30食限定の「くじらの竜田揚げ」をメーンに、揚げパンや肉じゃが、ちくわの磯辺揚げなど懐かしのメニュー30種類をバイキング形式で提供。「舌と目で当時の思い出に浸ってもらう」(同ホテル)ため、学校の教室を再現したグッズコーナーも設置した“こだわり”が、人気を呼んでいる。

同ホテルでは、「大人のためのディスコ&オールディーズナイト」と題したパーティーも、今年から2カ月に1回の頻度で開催している。レストラン内にミラーボールを設け、1970年代に流行したディスコホールを再現し、「懐かしい青春時代の雰囲気や曲を思いだし、フィーバーできる」(同)。毎回定員以上の申し込みが出る盛況ぶりで、何度も通い詰める人が少なくないという。

一方、帝国ホテル東京も7月から、「大人の卒業パーティー」と題した宴会パックを発売した。料理は昭和40年代に提供していた洋食を再現。会場では当時流行した音楽を流すほか、入社当時の思い出の写真をもとに、DVDスライドショーを作成して上映するなど、“懐かしさ”を前面に出した内容となっている。現在の販売件数はわずかだが、「需要はますます増える。今後は宿泊などを含めた総合的な商品展開をしていきたい」(同ホテル)とサービスの充実を企画中だ。

団塊世代に特化したサービスを行うホテルはまだ少ないが、「来年の退職ラッシュ前に顧客を囲い込み、その後の宿泊やレストラン利用などにつなげたい」(ホテル関係者)との思惑もあり、“本番”を控えたホテルの新サービス合戦がこれから過熱してきそうだ。

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