5カ月連続上昇
1〜6月の出生数 6年ぶりに増加
8月22日(火) 東京朝刊
今年上半期(1〜6月)の赤ちゃんの出生数は前年同期比1万1618人増の54万9255人で、上半期としては平成12年以来6年ぶりにプラスに転じたことが21日、厚生労働省が公表した人口動態統計(速報)で分かった。6月に発表された17年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推計値)は過去最低の1・25を記録したが、同省は「今後もこのペースが続けば、18年の合計特殊出生率の上昇も期待できる」とみている。
人口動態統計は、全国の市区町村に届け出のあった出生、死亡、婚姻、離婚、死産をまとめたもので、2カ月後に速報値を公表している。
速報値によると、6月の出生数は9万2047人で、2月以降5カ月連続で前年同月を上回った。5カ月連続での上昇は「ミレニアムベビー」が誕生した12年8〜12月以来6年ぶり。17年後半から増加傾向にある婚姻数は今年上半期、前年同期比1万936組増の36万7965組となった。同省では、これらが上昇した理由について、30歳以上の女性の初婚率のアップや、雇用状況の改善があるとみている。
前回、上半期の出生数が前年を上回った12年には後半も増加を続けたため、合計特殊出生率が前年の1・34から1・36へと、0・02上昇した。ただ、13年以降は再び下降に転じている。今回も一時的な現象にとどまる可能性があり、同省では今後の推移を慎重に見極める姿勢を変えていない。
また、昨年はインフルエンザの影響で増加した上半期の死亡数は、今年は前年同期比4589人減の56万4082人。出生数から死亡数を引いた人口の自然増加数は、昨年7月から今年6月までの1年間で1万1846人増となった。
速報には日本に住む外国人や海外に住む日本人などの数字が含まれているため、自然増加数が多めに出る傾向があるとされる。このため、昨年から始まった人口減少に歯止めがかかったかどうかはまだ不透明だ。
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【用語解説】出生数と合計特殊出生率
昭和46〜49年の第2次ベビーブームには出生数が年間200万人を超えたが、平成13年以降は5年連続で減少し、17年は106万2604人だった。合計特殊出生率は、15〜49歳の女性が1人当たり平均何人の子供を産んだかを年齢ごとに算出、足し上げたもので国際比較にも用いられる。日本は5年連続マイナスが続き、17年は1・25で過去最低を記録した。
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