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事前に予約・決済
進む航空チケットの「ペーパーレス化」
8月17日(木) 東京朝刊 by 内田博文
IT(情報技術)の普及で、航空券や搭乗券の「ペーパーレス化」が急加速している。国内線では全日本空輸が9月から、チェックイン手続きなしで搭乗できる新サービスを開始。マイレージ会員向けに同様のサービスで先行する日本航空に対抗する。国際線でも紙の航空券を発行しない「eチケット」化を進めるため、日航、全日空とも海外エアラインとの提携を模索しており、電子化による空の利便性は急速に高まっている。

全日本が9月にスタートするスキップサービス。搭乗券の代わりにICチップ付きのカードや二次元コードをかざすだけで、搭乗ゲートを通ることができる
全日本が9月にスタートするスキップサービス。搭乗券の代わりにICチップ付きのカードや二次元コードをかざすだけで、搭乗ゲートを通ることができる


全日空が9月1日搭乗分からスタートする「スキップサービス」は、インターネットや旅行会社で事前に予約・決済を済ませれば、空港のカウンターや自動チェックイン機で搭乗券を受け取る手続きが不要となるサービス。

マイレージ会員向けのカードやICカード機能付き携帯電話、または決済時に発行される二次元コードを、手荷物検査場と搭乗ゲートに設置される読み取り装置にかざすだけで搭乗できる。搭乗客にとっては時間の節約と利便性向上につながる。

同様のサービスでは、日航が昨年1月から自社のマイレージ会員を対象に「ICチェックインサービス」を行っているが、全日空はICと二次元コードを併用することで、自社のマイレージ会員以外にも利用拡大を図る狙い。「搭乗者の20%以上の利用をめざす」(全日空営業推進本部)という。

一方、国際線では紙の航空券を発行しない「eチケット」での海外エアラインとの提携が急速に進みつつある。

航空会社間の国際団体である国際航空運送協会(IATA)もeチケットの導入を推進しており、2007年12月末までに全航空会社にeチケット化の完了を指示。日航は7月末にシンガポール航空、シルクエアーと提携し、対象航空会社を13社に拡大したほか、航空アライアンス「ワンワールド」に正式加盟する来春までに、イベリア航空をはじめ約7社と提携し、「平成18年度内に計約20社まで拡大する」(日本航空旅客営業企画部)という。全日空も現在13社と提携を行っており、今後も拡大を図る方針だ。

eチケットの普及は航空会社にとっても航空券の発行コストを削減できるほか、カウンター業務を効率化できるなどメリットがある。航空会社、利用者の双方の利益につながるため、普及は一段と加速しそうだ。

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【用語解説】eチケット
顧客情報と出発日や便名など必要な情報を電子データとして航空会社のコンピューター内に保存し、航空券とする仕組み。パスポートなどで本人確認ができれば搭乗券を発券する。他社便への乗り継ぎには、航空会社のコンピューターを相互に接続する必要があり、提携のハードルとなっている。