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俳優、温水洋一 ヒップホップユニット「大田クルー」とコラボ
ダメオヤジに捧ぐ“温水係長”の舞い
8月8日(火) 東京朝刊 by 松本明子
舞台、映画にテレビのドラマからバラエティー番組まで、このところ大活躍の俳優、温水洋一が今度は歌とダンスに初挑戦した。4人組ヒップホップユニット「大田クルー」とのコラボレーションCD「マハラジャスーパースター」(9日発売)ではプロモーションビデオにも出演するが、その役どころといえば、出世できないサラリーマン“温水係長”。しかし、ダンスフロアに上がると、腰をくねらせ、一瞬にしてスーパースターという設定。ダメオヤジへの賛歌ともいえる内容になっている。

山田俊介
「大田クルーと温水洋一」のユニット名で新曲を発表する、俳優・温水洋一(右)ととラップグループ・大田クルー(撮影・山田俊介)


勤続20年。気がついたら同期は全員上司になっていた。“役所部長”(俳優の役所広司をもじった)には梅昆布茶。だが、温水係長にはOLから冷めた粗茶が出される毎日。座右の銘は「ま、いっか」と会社でも家でもうだつの上がらないサラリーマンを演じる。

「ほぼ僕のことです。座右の銘はケ・セラ・セラ(スペイン語で『なるようになる』の意)ですし、歌詞の“日増しに体も衰え細い腕”あたりもまさに僕。軽快な曲ですんなりと入れましたね」

大田クルーが温水にいくつかの質問をぶつけ、詞と曲を作った。温水は初体験のレコーディングで「うまく歌おう」と珍しく!?力んだが、「妙に作らないで、あくまで温水さんっぽく」(リーダーのサットン)と“いじられ”キャラを最大限に生かしたという。そして、グラムロック風の衣装をまといディスコでも踊る。ダンスや音楽とは最も縁遠い存在のように思える温水だが…。

「普通に洋楽などは聴いていましたよ。あっ、そうだ、ピアノを習っていました。“大人のためのピアノ教室”(笑)。週1回、1年間びっしり。“ムーンリバー”や“枯葉”は弾けます。ま、ネタで使えたら、とも思ったんですがね」

「人見知りをする」という温水だが、意外なエピソードを盛り込みながら頑張ってしゃべってくれる。そんな誠実な人柄が伝わる話し方だからこそ、芸歴18年で一気にブレークした。

「散歩が好きなんですが、街を歩いていると70歳くらいのおじいさんが『温水さんでしょ』と声をかけてくれる。うれしいですねえ。以前なら“おんすい”さんか“あつみず”さんだった。“ぬくみず”さんとちゃんと呼んでくれるようになりました」

サットンによると、「ちょいワル風も入れて、サラリーマンの小さな幸せ」を描いた楽曲だという。ひょっとしたら、あなたの会社にも“温水係長”がいるかもしれません。

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