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巨匠、気鋭…ホテルと提携
都心で「パリの味」を 
8月6日(日) 東京朝刊 
「パリで最も予約が取れない」といわれる三つ星レストランの味が楽しめるのは、東京プリンスホテル パークタワー(東京都港区)。

レストランガイドブック「ミシュラン」の格付けで、最高位の三つ星を10年に渡って維持する「アルページュ」のオーナーシェフ、アラン・パッサール氏が先月から、トータルプロデュースを手掛ける。

アラン・パッサール氏

ホテルのレストランで、著名なシェフを招いての短期間のフェアは珍しくない。しかし、今回は来年4月までの期間中、同氏が4回来日し、メーンダイニングのランチ・ディナーだけでなく、朝食メニューやカフェのスイーツ、ショップで販売するパンから、婚礼メニューの監修まで行う。

この新しい試みは、業界から熱い注目を集めている。パッサール氏は、人気番組だった「料理の鉄人」の出演などで日本でもその名を知られている。何と言ってもパリまで足を運ばずとも、その味が楽しめるのが魅力だ。

35年のキャリアをもつパッサール氏にとっても初めての経験で、「日本の食文化は世界でもトップクラス。市場も充実しており、新しいものをつくり出す環境としては完璧(かんぺき)」と意気揚々と語る。
スタッフも感化
一方、セルリアンタワー東急ホテル(渋谷区)は、パリの気鋭のパティシエ、ローラン・ジャナン氏と技術提携している。

ローラン・ジャナン氏

建築や絵画に造詣が深いジャナン氏は、スイーツにも芸術的な美を追求。素材にこだわり、デザイン、味、香りのすべてで表現される独創的な「作品」は日本でも評価されている。現在、店舗を持たない同氏のスイーツはパリでも食べられないため、“ジャナンブランド”は付加価値も高い。

「今、パリでは軽めのスイーツが流行しています。“ふわふわ”とした口当たりのものが人気ですね」とジャナン氏。本場の最新の味を提供できるのは大きな強みになっている。また、技術提携は客に対してのメリットだけではない。同じ厨房(ちゅうぼう)でパッサール氏の仕事ぶりを目の当たりにした東京プリンスホテル パークタワーの日本人シェフからは、「食材、特に野菜の火の入れ方は驚くことばかり」「とにかく料理に対する情熱がすごい」という声が聞かれた。

ホテルの料理人やサービススタッフの育成といった側面からも効果が上がっているようだ。

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記事関連情報
■正真正銘「料理の鉄人」
【プロフィル】アラン・パッサール
 1956年、仏ブルターニュ出身。15歳から料理を学びはじめ、「ヌーベルキュイジーヌの旗手」として名高いアラン・サンドランス氏のもとで才能を開花。86年にパリに「アルぺージュ」を開店し、10年後にミシュランの三つ星を取得。近年、自家農園で栽培した野菜中心の新料理に挑み、注目を集める。

■甘い美を追求 天才パティシエ
【プロフィル】ローラン・ジャナン
 1968年、パリ郊外のメゾン・ラフィット出身。パリの「フォション」「オテル・ド・クリヨン」などで修業を重ね、99年に「フォーシーズンズホテル・ジョルジュサンク・パリ」のシェフパティシエに。同ホテル内のレストランの二つ星獲得に貢献する。現在はパリ在住。製菓学校の講師なども務める。