ネットの直前予約増加

えっ？　もう秋冬ツアー！　旅行各社　早期囲い込みに躍起

8月3日（木）　東京朝刊　by 内田博文

ひと足早い秋冬ツアーはいかが−。近畿日本ツーリストは２日、平成１８年下期(１０〜３月)の海外旅行商品を発表し、日本旅行を除く大手旅行会社の秋冬ツアーがほぼ出そろった。各社とも、通常より５０００円から２万円程度割安な早期申し込み割引サービスを充実し、旅行客の早期囲い込みに躍起となっている。

早期申し込み割引を充実させたツアー商品を展開し、顧客の囲い込みに力を入れる旅行各社＝２日、近畿日本ツーリストの本社内営業所(東京都千代田区)

近ツーは、従来は３５日前までの予約が対象だった米国向けの早期申し込み割引を６０日に拡大し、最大１万５０００円を割り引く。また、アジア向けの４５日前割引(５０００円引き)など４地域に新たな割引も導入した。料金割引以外にも、客室タイプが選べるなど特典も増やし、早期予約者優待サービスを強化した。

ＪＴＢも４月から、米ノースウエスト航空を対象に導入していた早期申し込み割引を、豪州向けに拡大。ニュージーランド航空とカンタスを利用したツアーも最長出発６０日前までの予約で、１万〜２万円の割引を行う。

一方、ジャルパックでは、ハネムーン客を対象に、最長で出発日の１２０日前までの予約者に、空港から自宅までのハイヤーを提供する特典を下期から導入。ハネムーン向けでは、近ツーがすでに最長９０日の事前申し込み割引を導入しており、予約期間の長期化に拍車がかかっている。

下期商品の発表を来週に予定する日本旅行も、「既存の３０〜６０日の早期申し込み向けのサービスを、下期商品でさらに拡大する」と話しており、早期申し込み客の獲得競争は過熱する一方だ。

背景にあるのが、旅行の直前申し込みの増加だ。インターネット予約の普及に伴って出発直前の予約客が増え、旅行会社にはホテルや航空券の在庫を抱えるリスクが高まっている。早い時期から予約者を囲い込めれば、こうした在庫リスクを減らせる。他の旅行会社や、成長著しいネット系旅行予約サービスから顧客を奪う対抗策でもある。

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