8月出荷分の石油製品の卸価格を大幅に引き上げ
ガソリン140円突破 一気に5円以上の店舗も
8月2日(水) 東京朝刊
ガソリンの小売価格が1日から一斉に値上げされた。原油価格の高騰を受けて、新日本石油など石油元売り大手が8月出荷分の石油製品の卸価格を大幅に引き上げたため。都内ではレギュラーガソリンで一気に5円以上引き上げて、1リットル=140円台としたガソリンスタンドが多い。原油高の影響で生活物資の値上がりも相次ぎ、消費者の懐を直撃している。
|
ガソリン価格の上昇は止まらず、ついに1リットル=140円台に突入した=1日、東京都足立区のガソリンスタンド |
都内有数の交通量を誇る環状7号線に面した新日石系のスタンド(東京都足立区)は、レギュラーガソリンが143円。7月1日に7円値上げし、この日から6円引き上げた。周辺の最安値店と比べ、6〜7円の差があるが、「卸価格が上がり、値上げしないと赤字になってしまう」(マネジャー)と嘆く。
出光興産系のスタンド(東京都目黒区)も31日から8円値上げして143円としたが、半数以上の客は「仕方がない」と理解してくれるとか。
ガソリン以外では、サケやサバなどの魚介類、砂糖の価格が上昇。大手メーカーが卸価格の値上げを決めたティッシュペーパーは、小売店レベルでも価格上昇圧力が強まっている。
大手スーパーの鮮魚売り場では、昨年に比べマグロが約20%、サケは10%程度値上がりしている。海外から水産物を買い付けているマルハグループ本社によると、冷凍の輸入水産物の小売店頭価格は昨年に比べて5%から10%ほど上昇している。原油高に伴って燃料コストが上昇。これに、欧州での需要増が重なり、価格上昇に拍車がかかった。
砂糖の価格も原油高のとばっちりを受けた。値上がりが続くガソリンの代替燃料として、安いエタノール(アルコールの一種)を砂糖原料のサトウキビから作る需要が高まり、品薄となった砂糖価格は昨年秋から上昇。スーパーの店頭では1割弱値上がりしている。
ティッシュペーパーやトイレットペーパーはスーパーにとって特売の目玉だけに、原油高による製造コスト上昇を理由にしたメーカー側の2〜3割もの卸価格上昇への対応に苦慮。「まだ値上げはしていないが、長期的な取引の中で上がる可能性は否定できない…」(大手スーパー)との声も聞かれる。
産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.