国立女性教育会館が6カ国で調査
日本の親は育児書頼み しつけ甘く
8月2日(水) 東京朝刊
日本の親は子供のしつけに甘く、親になる前も子供の世話をする経験に乏しいことが、国立女性教育会館が1日発表した国際比較調査で分かった。しつけへの甘さは10年前の調査でもうかがえたが、日本の親は、子供の世話を育児書に頼りがちな傾向が強いことも分かった。
調査は12歳以下の子供と同居している親が対象。日本、韓国、タイ、米国、フランス、スウェーデンの6カ国でそれぞれ約1000人に面接方式で実施。
「日常のあいさつ」「行儀良い食事」「身体を清潔にする」「遊んだ後の片づけ」などの項目を挙げ、「5歳の時に1人でできるか」をたずねる質問には「あいさつ」が8割以上、「食事」と「清潔に保つ」は約7割とどの国も高い比率だったが、どの項目もタイが最高で日本は韓国同様、低い傾向。特に日本はどの項目も男児が女児を下回った。
「15歳までに1人でできた」に挙げられた項目も日本は「マナーを守る」が85.8%と6カ国中最低。「家族のために食事を作る」「働いて報酬を得る」が日本は低く、同会館では「総じて子供の自立が低い傾向がみられる」とした。
親になるために経験・学習したことを聞いたところ、日本の親は「育児書を読んだ」(29.9%)がトップ。「親から教わった」(29.4%)「弟や妹の世話をした」(18.2%)を上回り、韓国を除く4カ国と顕著な違いがみられた。
日本の父親が平日に子供と過ごす時間は3.1時間で“最低レベル”。前回調査と比べ0.2時間減で、「子供と接する時間が短い」と悩む父親は前回27.6%から41.3%に増えた。
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